1センチの距離

ペンを取り名前と学校名を書いた2人に,嵐士は話し始めた。


「キックターゲットはしたことありますか?」


「ないです」
「あたしも……」


「それでは簡単に説明させていただきます」


2人は「はい」と応えた。



「ゴールに1から9までの数字が書かれたボードがセットされています

指定位置からサッカーボールを蹴って,そのボードに当ててください。

獲得枚数で貰える景品が変わります。

……ここまで大丈夫ですか?」


実際に今参加している人を指差しながら説明する嵐士。


そんな嵐士の説明に頷く2人。



「えっと……女の子の参加は初めてだから,他の人には内緒でサービスしときますね」


「ほんとですか?」

「ありがとうございます!」


喜ぶ2人を見て微笑む嵐士。


そして,ゴールを指差した。

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