1センチの距離
「このサークルには,あそこにいる女子しか女の子っていないんだけど……」


2人は嵐士の指差す女の人を見た。


「あいつに“よろしくお願いします”って言ってみて」



ニッコリとそれだけ言う嵐士。


それだけ? とでも言いたげな顔をしつつ,頷く2人。



2人はゴールの横にいる女の人に近づき,声を掛けた。


「……あのっ,」


「……ん?」



「「よろしくお願いします!」」


お辞儀と一言。



いきなりで驚くも,受付にいる嵐士と目が合い何事かを理解……そして話し出した。


「2人共,参加者?」


「はい!」


「そっか!」


2人の返事にニコッと微笑み,


「女の子が参加してくれるなんて嬉しい!サービスしちゃうから,がんばってね」


「ありがとうございます」


2人は顔を見合せ,微笑んだ。

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