とっておきの唄



聞き慣れたメロディーが小さな体育館に響き、私を包み込む。



音色と共に、私の口が震えて動き出した。
みんなの声も、昨日の練習とはどこか違っていて、私は心の中で微かに安心できた。



呟くように、囁くように唄を体育館へと精一杯届かせる


声が喉でつまり、かすれた涙声だけが小さく聞こえ始めた。



一生懸命な私たちを見守る先生たちはどんな顔をしているのかもわからない


景色が滲んで、唄が私たちを盛り上げていく
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