月影揺らぐ水面にて 草原の夢をみる
六果は、勢いよく部屋に入ると後ろ手に襖を閉める。

目に少し涙が滲んでいた。

「どうして、兄上たちは…」

小さく声に出して自問するが
答えは、また五才の子供には分からなかった…

ただ、自分は皆とは違う"化け物"という事だけは分かり

だから、嫌われているのだと考えていたのである。


六果の異能は、もうこの頃から見え始めていた。
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