月影揺らぐ水面にて 草原の夢をみる
「私は納得いきません!!

なぜ、壱華(イチカ)兄上ではないのですか!!?」

「落ち着け、二葉(フタバ)…

冷静にならんか。」

「私は、最初から冷静にものを申しております。

"なぜ、白虎の地位も頭首の座も、まだ産まれたばかりの赤子に継がせるのですか??"」


「……それが決まりだからじゃ。」

「決まりって…

あやつが生まれる前までは、壱華兄上に全て継がせると全会一致で決まってあったでしょうに!!」

「そうじゃ。
六果(ロッカ)が生まれる前まではな。」

「…!

そんなに、"毛"の色が大事ですか……?

そんなに、"白王"に似た奴でないといけないのですか!?」

「二葉!
貴様、白王様を愚弄するのか!!?」

「……私は、壱華兄上ではいけないという意見に納得がいかないだけです。

兄上ほど、優れた方は今の一族にはいやしません!!

申し訳ありません、失礼致します…」

「待て!二葉、二葉!!」
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