幼なじみ卒業
私は「千秋」と呼ぼうとしたが女の子と話している事に気が付いて、口を塞いだ。

反射的に近くにある木の影に隠れた。

何の話をしているんだろう・・・?

話に耳を傾けてみた。

すると女の子の声が聞こえた。

「わ・・・私、東堂君の事が好きなんですけど。
 も、もし良かったら私と付き合ってくれませんか?」

・・・これは世に聞く、告白現場というやつ?

生で初めて聞いたよ・・・。

私は木にギュっとしがみついた。

女の子を見ると顔が真っ赤になっていた。

私には「恋」ってやつに一生懸命になった事がないから、分からないけど。

きっと私が思っているより緊張するだろうな。

何かそんな告白を聞いちゃって悪かったな。

「ごめんなさい。」と心の中で女の子に謝った。

千秋は何て答えるのかな・・・?

私は木の横からまた千秋と女の子を覗いた。



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