幼なじみ卒業
「男に求める条件は?」

そんな事を聞かれても・・・。

そんな事考えた事ないから分からない。

まず私は男という生き物に興味がないのだ。

「ち、千秋の好きな人を先に教えてよ。」

「今は言えないから夏希から教えて。
 別にいいじゃん。減るもんじゃないし。」

確かに減るものではないが・・・。

「わ・・・笑わないでね。」

私はジャージのズボンをぎゅっと握って言った。

「正直言って、考えた事ないから分からない。」

私がそう言うと、千秋は笑って言った。

「やっぱお前変わってんな。
 普通芸能人とか、タレントとかでもなんかいないの?」

「・・・特に。だから誰でもいいの。」

「誰でも?」

「さっきも言ったように、考えた事ないから分からないけど何でもいいの。
 せめて言えば私のそばにいてくれて、私の事をずっと好きでいてくれる人がいい。」

あんまり男性のタイプなんて考えた事ないから。

でも今言った事はけっこう本気。

だけど何だか恥ずかしくなってきた。

「で・・・。千秋の好きな子は?」

私は恥ずかしさを紛らわすために千秋に話しかけた。

「・・・何だよ。さっきから好きな子好きな子って。
 けっこう興味あんの?」

千秋はクスッと笑って言った。

「ち・・・違うよ!」

私は何だか恥ずかしくなる。

別にやきもちとか、そんなんじゃない。

私はただ純粋な気持ちで、出来れば応援したいと思っている。





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