幼なじみ卒業
「俺が好きなのは夏希だよ。」

私は頭が真っ白になる。

ああ、頭が真っ白になるってこういう事なんだなって分かった。

千秋が何を言っているのか分からない。

何も考えられない私に千秋は続けて話す。

「・・・さっき告白された時の返事に出した好きな子って、夏希の事だよ。
 ずっと、初めて会った時から好きだった。
 「幼なじみ」だなんて一度も思った事ない。」

千秋の言った事は冗談ではなかった。

だってこんなにも真剣な顔をした千秋は見た事がない。

さっき行われた球技大会の疲れが残っているはずなのに、何も感じない。

つかまれている腕に力が入った時、五時半を知らせる鐘が鳴った。

ふと空を見ると、今日はとても綺麗な夕焼けだった。

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