幼なじみ卒業
「・・・俺には来てないんだけど。」

そう言って真冬に携帯を返した。

いくら気まずいからといって、メールもくれないのか?

そう思うと何だか少しイライラした。

「まあ今日お前の家に来たのはちょっと話があってさ。」

真冬は意味深な言い方をした。

「・・・話ってなんの?」

俺はそう言って真冬を睨む。

「夏希とここ二日なんかあったろ?
 何もなかったなんて言わせないからな。
 夏希は明らかにお前を避けている。」

やっぱり真冬は鋭い。

でも夏希は明らかに俺を避けてるっていうのは見てれば分かるか。

「・・・あったよ。」

俺はそう言って歩き出した。

「何もなかったなんて言わせない。」って言われたら、嘘なんて言えるはずがない。

「・・・で?何をやったわけ?」

真冬はそう言って俺の隣を歩く。

「やったわけ?って俺が悪いみたいな言い方かよ。」

「だって、そうなんだろ?知らないけどさ。」

・・・まあ俺が悪くないってわけじゃないけど。

でもこれは誰が悪いとかそういう問題じゃないと思う。

「・・・怒るなよ?」

「事によっちゃ怒る。」

真冬は真顔で言った。






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