幼なじみ卒業
窓から外の景色をぼーっと眺めている時、教室のドアがガラッと開いた。

俺はドアの方に顔を向けると夏希が固まって俺を見ていた。

夏希は深呼吸をしてから速やかに教室に入った。

そして机の横にかけてある鞄を肩にかけた。

「あのさあ。」

俺はイラついた口調で言った。

夏希の肩はびくっと反応した。

「なんで俺がここにいると思う?」

そう言って夏希に近寄った。

「な・・・なんでいるの?」

目を逸らして震えた声でそう言った。

「夏希を待ってた。」

そう言うと夏希は黙ったままだった。

俺は夏希の腕を掴んだ。

「は・・・放してっ!」

夏希はそう言って掴まれた腕を動かす。

だけど俺は放さなかった。

「あのさあ、告白されてどうすればいいか分からない気持ちは分かるよ。
 だけど告白した奴だってどうすればいいか分からないんだからな。」

やっと言いたい事が言えた。

俺は心の中でほっとした。

「じ・・・じゃあ私、どうすればいいの?」

夏希は俺に顔を向けて言った。

何だろう。久しぶりに夏希の顔を見た気がする。

そう思うと、何だか嬉しくなった。







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