幼なじみ卒業
「それでは皆さん。頑張ってください!」

千秋と話していたら、開会式は終わりを迎えていた。

生徒会長らしき人の声で皆移動し始めた。

最初の私の試合はバスケだから体育館だな。

私はそう思って、体育館に向かった。

私は腰まである長い髪を一つにまとめた。

髪をまとめている時、小春に声をかけられた。

「夏希、頑張ろう!」

そう言って可愛く微笑む。

今日の小春の髪型がいつもと違う事に私は気が付いた。

いつもは横でお団子にしたりおろしたりするけれど、

今日はくるくるした栗色の髪を横に二つに分けている。

いつもと違って凄く可愛い!

遠くで見たって、近くで見たってこんなに可愛いんだもん。

男子が放っておくはずがない。

「・・・どうしたの?夏希。」

小春の声でハッと我に返って「なんでもない。」と言った。

「私、今日全勝するの!」

「なんか夏希、気合入ってるね。」

「うん!頑張る!」

私は小春にピースした。

小春も笑って私に「頑張ろう!」と言った。

小春と話している時、笛の音が響いた。

そしてすぐ体育の教師、宇木の大きい声が聞こえた。

「一年A組とC組はBコートへ。
 B組とD組はAコート。EとFは、審判。
 すぐに移動してください!」

「じゃあ行こうか。夏希。」

「あ、うん。」

私は走ってBコートへ向かった。

私のクラスのA組と戦うC組はバスケ部はもちろん、運動部がたくさんいるクラスだ。

だから一回戦は手ごわいかも・・・。

私はゴクリと息を呑んだ。

そして試合が始まった。






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