Heart
「え!?」



驚いた声を出す爽麻君。



顔を見るのが怖くて


私は俯いた。



「か、彼女が居るのは分かってるの。ずっと仲良くなりたくて、ずっと一緒に話したかった。ずっと想いを伝えたかった。だから今日くらいは良いよね?……好きなの、大好きなの。忘れられないの。」




涙が出そうになって声が小さくなっていく。



もうここから逃げ出したい。



そう思った瞬間、


私は温かい物に包まれていた。




「え!?爽麻君!?」




そう、私は今爽麻君の胸の中。



心臓の音が聞こえてくる。




「俺の心臓の音分かるでしょ?」




「うん。すっごくドキドキしてる。」




「ははっ。なんだか恥ずかしいな。でも、それが答え。」




「え?どういう意味……。」




「だーかーらー!俺も美紗ちゃんが好きだってこと!」




「え、あ、ふぇ!?」




「ぷぷぷ。やっぱ美紗ちゃんっておもしろい。あ、それと彼女何ていない!」




「え!?だってこの前……。」




「あれは妹だって!紹介しようとしたら美紗ちゃん走って行っちゃうし……。それにその日から会えなくなるし。」




「だってそれは!……彼女だって思って。」




「うん、知ってる。ごめんね?俺、美紗ちゃんに嫌われたかと思った。もうこのまま会えなくなるのかなって。だから今日会えてすっごく嬉しくて。話しかけようか迷ったんだけど……ね。すっごくドキドキしたんだ。」




「えー!?全然普通だったよ?私の方こそ、話しかけられたときすっごくドキドキしたんだから!」




「ははっ。お互い様だな。でも、嬉しいよ。」




そう言って照れたように抱きしめる力を強くした爽麻君。
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