I and You
真昼のカフェ。

雅子は、友人の知世と都内にあるカフェで会っていた。

二人は同じ高校の同級生で、それ以来の友人だった。
二人は主婦同士、たまに会って食事をする。
会うたびに雅子は、知世に一郎への不満を愚痴にして言う。

「それで、今度は何があったの?」
いつもどおり知世が、雅子に聞いた。

「不満じゃないの・・・・・・」
雅子は、飲みかけのコーヒーカップを置いて、ぼそりと言った。

「不満じゃないの・・・・・・!? 珍しいわね?」
知世は、吸いかけのタバコを灰皿にもみ消して興味深く聞いた。

「あの人の態度がおかしいの」

雅子は、昨夜から一郎の態度が変わったことを不信に思っていた。
急に料理を作ったり、息子にゲームを買ったりして、今までの夫の姿ではないことに、何か企みがあるような気がしていた。
そのことを知世に話した。





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