Ｉ and You
クローンの右手が無意識に雅子の肩に触れた。

二人はキスを交わして、そのままベットの上で寝そべり抱き合う。

その時、クローンの頭の中で一郎から、『妻とは寝るな』と忠告されていることを思い出した。やめようとする気持ちと裏腹に、雅子は強く求めてくる。

クローンの体が反応して雅子を抱きしめると、再び頭の中で一郎の忠告が聞こえてくる。それが、だんだん大きく聞こえてくる。

「あっ！！」
突然、クローンに強い頭痛が起こった。
クローンは雅子から逃げるように、ベット下の床に倒れこんだ。

「どうしたの！？　」
「・・・・・・・」
クローンが苦しそうに息切れをしている。

「大丈夫？　」
雅子が心配してクローンに近づく。

「な、何でない・・・・・・今夜はひとりで、ね、寝かせてくれないか」
と、クローンは息切れをしながら隣の部屋へに向かった。





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表紙・目次

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