Ｉ and You
康夫の別荘。

クローンは、康夫の別荘で一郎が来るのを待っている。

「どうだった初めての人間社会は？　」
キッチンから缶ビールを飲みながら、康夫がクローンに感想を聞いた。

「はっきり言って、わからないことが多くて困ることもあったけど、なんとかやれたよ」
クローンはソファに座って思い出すように言った。

「そうか、それはご苦労だったな。どうだビールでも飲むか？　」
康夫が冷蔵庫から缶ビールを取り出した。

「牛乳はあるかい？　」
クローンが立ち上がり冷蔵庫の前に来た。

「牛乳って・・・・・・一郎は牛乳は飲めるのか！？」
康夫は、一郎が牛乳を飲めないことを知っていた。そのため気になってクローンに聞いた。

「彼は牛乳は飲めないみたいだけど、僕は好んで飲んでいる」
と答えて、クローンは冷蔵庫から牛乳パックを取り出しカップに入れて一気に飲んだ。

「へーえ。これは、ひとつの発見だ。クローン人間は環境によって元の人間とは違うものを好むことも証明できたわけか」

クローンが牛乳を美味しいそうに飲む姿を見て、康夫は感心した。

康夫の携帯電話が鳴った。




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