I and You
「勘弁してくれないか・・・・・・少し疲れたから休みたいんだ。時折、頭痛がするんだ」
クローンは頼むように言った。

「頭痛・・・・・・!? 」
康夫が興味深く聞いた。

「判断に困った時、一郎だったら、どう判断して行動するかを考えると強い頭痛が起こるんだ」
クローンは、不安そうに事情を話すと、全身が熱くなって顔じゅうに汗がにじみ出てきた。

「そんな出来事を何度か経験していたら、今度は自分が誰なんだろうってわからなくなるんだ」

「自分がわからなくなる。それは、どういうことなんだ? 」
康夫は、クローンの身体の異変をもっと知りたくなった。

「わ、わからないんだ!!」
康夫の問いかけに答えようとしたクローンは、強い頭痛と息苦しくさで言葉が出てこない。

「あっ!!」
クローンは、大きな声をあげてひざまずく。

「おい! 大丈夫か? 」
康夫はクローンをソファに寝かせた。




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