I and You
「どうして電話に出なかった!」
一郎は、クローンに叱りつけるように言う。

「ずっとテレビを見ていたからな・・・・・・気がつかなかった」
クローンは、酔いどれてとぼけている。

一郎は、クローンの態度にムッとするのを我慢する。

「どうして、良子に会った? 」
一郎が強い口調で聞いた。

「良子・・・・・・? あぁ、おまえの愛人の女のことだな。十分にベットの中で楽しませてもらったよ」
クローンは、にやけてからかうように言った。
その瞬間、一郎の左手は、クローンのシャツの胸元を掴んでいた。

「殴るのか? 」
クローンは平気な顔をする。
一郎は、掴んだ左手をほどく。

「おまえは、俺と良子との間を引き裂いた。しかも踏みつけるようにして」
一郎は、怒りをはき出すように言った。

「踏みつける!? フ~ン」
クローンはあざ笑った。


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