Ｉ and You
「今、あいつは酔いつぶれて眠っている。でも、また起きたら好き勝手なことを始めるに違いないぞ」
一郎が心配した。

「おそらく頭痛に耐えれなくなった時、おまえとは違う人格が表れるはずだ。頭痛がひどくなる前に鎮痛剤を飲ませれば大丈夫だ」
康夫は、強い口調で説明した。

「わかった・・・・・・そうしよう。俺も、あいつがおとなしくしてくれるほうが安心だからな」
一郎は、康夫の指示に従うことを約束した。

「俺が日本に帰ったら、このプロジェクトを辞めることにする」
康夫が決心したように言った。

「辞めるって！？　」
「そのことは、日本に帰ってから話す。それまで頼んだぞ」
康夫が電話をきった。

「プロジェクトを辞めるのか・・・・・・」
ぼそりと、一郎は独り言を言った。

しばらく中庭からクローンの寝顔を見つめた。
一郎は何かをひらめいた。
その瞬間含み笑いをした。










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表紙・目次

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