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アジ化ナトリウムと書いてある瓶入りの薬品を手にした。

アジ化ナトリウムは、白色無臭の塩で防腐剤・農薬原料・起爆剤などで使用されていた。大量に人間が摂取すると意識不明・呼吸不全などを引き起こし死に至る。
そのため毒物と指定されている。

そのことを知っている一郎は、慎重に両手で瓶に触れて研究用のデスクに置いた。

一郎は、自分が持ってきた小瓶を取り出す。
薬品を持ち出すには、大学病院からの許可が必要である。
しかし、一郎は無断で持ち出すため、後から持ち出されたことがバレないように微量分しか移し入れなかった。

再び、薬品を棚の中に戻して急いで研究室を出た。

一郎は、急ぎ足で車に乗り込んで、康夫の別荘に戻った。