I and You

終結

次の日の朝。
康夫がアメリカから帰国して別荘に帰ってきた。

一郎は、スーツケースをリビングの床に置いた。
喉が渇いたため、キッチンに行き冷蔵庫から缶のコーラを取り出して飲んだ。
強い炭酸が喉に伝わる。

一郎の背中で人の気配を感じて振り向く。

「おまえは・・・・・・一郎なのか? 」
康夫が考えるように聞いた。

「あぁ、俺だよ」
一郎がにこりと笑って答えた。

一瞬、康夫は目の前にいたのはクローンだと思った。

「アメリカはどうだった?」
一郎が興味深く聞いた。

「いろいろと大変だったよ」
康夫の言葉は、どこか疲れきっている。

「ところで、クローンはどうしてる?」
康夫が一番に気になっていることを聞いた。

「そのことなんだが、こっちへ来てくれないか?」
一郎は康夫の研究室へと案内した。



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