妖怪愛物語
「よし、ついた」
その場所は大して遠くは無かった。だけどやはり木の上だった。しかも丘の上でもあったのでものすごく高い。
「此処から見える朝日は格別だ。・・・・ほら」
狐さんが指をさした方向を見てみると、ちょうど朝日が昇っていた。
ビルとか大きな建物が無いから空気も澄んでいて、私が見たこと有る朝日の中で一番綺麗だった。
「わぁ・・・綺麗」
「これをお前に見せたかった。今日の朝あえてよかった」
「そっか。いいとこあるじゃん」
「っ・・・」
私が笑顔でそういうと、狐さんはそっぽを向いてしまった。
「朝日、見ないの?」
「わしは見慣れてるからいい!」
さっきまでの威勢はどうしたんだろうか。