妖怪愛物語



「っ・・・ありが・・・っぅ・・・・」



目からは自然に涙があふれていた。



私って本当に泣き虫だな。悲しくても、嬉しくても、ずっとずっと泣いてる。



「泣かないで!別れちゃっても私の血と心はアンタのココにずっとあるんだから!」



そういい、桜さんはとんっ、と私の胸を優しく叩く。



「泣いて別れるのは悲しい別れだから、笑って別れよ!ずっとずっと一緒だからさ」



初めて会った時、なんだか初対面じゃない気がした。


まぁ、そりゃ顔が一緒だからかもしれない。



でも、そうじゃなく、心でつながってたからなんだね。



桜さんから、皆へ、私の祖先の皆へ、つながってるんだ。



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