妖怪愛物語




そんなことを考えると決まって胸が痛くなる。針で刺されたみたいに、痛くなる。



まだ私自身が狐さんを好きなのかも分からないから、告白という解決法ではいけない。



第一、私が告白したら狐さんが混乱するだけだ。



「桜・・・?どうしたんじゃ」



さっきから黙りっぱなしの私を心配してくれる。



そういえば、二回目だ。昔に行ってる時もそうやって心配してくれたっけ。



出会って間もないはずの私を一生懸命元気付けようとしてくれた。そんな優しいところに惹かれたのかな?



あ・・・だめだ。全部そっち方向に話を持っていってしまう。



「何でもない・・・」



私はそういうしかできなかった。



狐さんに相談してもただ混乱を招くだけだから。



きっと、迷惑だから。




< 159 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop