妖怪愛物語




「昔にいるときに話したじゃないですか」


「うん」


「空雅さんが言った通り、さっき飛んでたときやっぱり・・・」


「そっか。うーん・・・俺からどうこう言ってどうなるって訳じゃないけど、個人的にはやっぱり桜ちゃんは恋してるんだと思うよ」


「・・・・」


「俺も桜のこと好きだって言ったじゃん?桜といるとね、胸が暖かくなるんだ。ずっと一緒に居たい。あぁ、幸せだなって。それで、桜がピンチのときは一緒に助け合いたい。困ってる時は俺がいいところ見せたい。かっこいいなって思われたい。命だって桜のためなら捨てたっていい。これが俺の”好き ”って気持ち。あくまで俺のだけどね」



空雅さんも、こんな風に思ってるんだ。



私も、狐さんといるととっても楽しい。幸せ。ずっとこのときが続けばいいのになんて思っちゃうときもあった。



狐さんと桜さんの暗い過去を聞いて、最初はかわいそうとか同情の類の念だったけど、今は違う。



助けたい。一人で抱え込まないでほしい。



桜さんには程遠い存在かもしれないけれど、私なんかでもいいと言ってくれたら。







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