妖怪愛物語
こんなの綺麗事かもしれない。
ただの一目惚れみたいなものかもしれない。
でも、ここ2、3日で想いが大きくなっているのは確かで。さっきのこともふまえてもう一度考えると、私は恋をしているのかもしれない。
その答えしか、頭に浮かばない。
「やっぱり・・・好きなのかも・・・しれないです・・・」
何日も何日も悩んでいたことが解決して、ほっとしたのか、想いが伝えられない苦しみなのか、目からは涙がこぼれた。
狐さんのことを想うとやっぱり涙が止まらない。
「そっか・・・俺はいつでも桜ちゃんの見方だから。何でも相談して・・・今は思う存分泣きな」
空雅さんはあのときの狐さんのようなことをいい、同じように私を抱き締めてくれた。