妖怪愛物語
「桜殿」
さっき同様新しい名前で呼び止められる。なんだかむずかゆいな・・・。でも、
「ちょっと待った」
「なんじゃ?」
「その、桜殿ってやめて欲しいので、桜ってよんでくれませんか?」
「・・・・」
「め・い・れ・い・で・す!!」
さすがにこう言ったら聞いてくれるだろう。うん。
「分かった。・・・では行くぞ桜」
行くぞ・・・って、どうやって?どこに行くか知らないんだけど。
「手につかまれ」
ふいに手を差し出される。
「へ?」
「早く」
「は、はい」
何がどうなるのかよく分からないけど、私は狐さんを信用して手を握る。
・・・とたん!
私達の体は宙に浮いた。
「ちょ!?狐さん!!!怖い怖い!!!!」
高い所はどちらかと言うと苦手です。怖い怖い怖い!!!
「こんくらいすぐ慣れるから大丈夫じゃ」
いやいや、大丈夫じゃないですぅうう!!!!!
人間は空飛びませんからぁぁぁぁ!!
慣れれませんんんん!!!!!
そんなこんなの大修羅場の後、空をちょっと間飛んでいたら、狐さんはどこかの山の中に降りた。