妖怪愛物語



「れーんーかー」


名前を呼ばれてるけど平然としている狐さん。でも、私は訳がまったく分からず戸惑う。


れんかと呼んだ謎の物体は茂みからどんどんこっちに近づいてきている。

出てきた!!と思ったら、そこには若くて綺麗な女の人が居た。


「よう、葉月」


狐さんがいきなり葉月と叫んだ。きっと知り合いなんだろう。妖怪を退治するんじゃなかったの?


「もぅ!蓮華ったらぁ♡ずっと来てくれなかったから寂しかった♡」


「分かった!分かったから、近寄るんじゃなか!!!」


「もぅ!照れちゃってぇ~♡」


なんだろう、この友達以上っぽい関係は・・・・


「あ、あのぉ」


「何よ、小娘」


小娘・・・・?


葉月と呼ばれた人は、狐さんに向けた視線とはまったく別の冷ややかな視線をこちらに向けてきた。怖い。


「お二人はどんな関係なんですか?」


「恋人」


即答する葉月さん。しかし、


「違うじゃろ!!!」


温度差ってすごいと思わせんばかりに、葉月さんとのムード(?)をぶち壊す狐さんだった。




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