妖怪愛物語
「見せてもらったよ。25代目妖怪退治屋さん」
影月が、そう言った。
では、さきほどの2人の妖怪は、私の力を試すためだったの!?
人・・・いや、妖怪の命さえもこんな風に扱う、陰の神・・・・。
「貴方が、影月さんですか・・・」
「そうですよ。暗黒の陰の神・・・影月です」
そう、低い声で答えた。
「影月・・・!!貴様何用じゃ!?」
「フッ・・・蓮華か。久しぶりだな。貴様、面白い退治屋を見つけたようだな」
カッと狐さんの顔が赤くなる。面白い退治屋って・・・どういうこと?
「アンタが直々におでましするなんて・・・どうかしたのかい?」
狐さんをかばうように葉月さんもでるのだが、やはり先ほどまでとは打って変わって、真剣で、かつ警戒心に溢れた表情をしている。
「葉月・・・」
影月が、透き通ったビー玉のような、でも寂しげな目で、葉月さんを見つめた。この二人にも何かしらの関係がある。もしくは、あったのだろう。
そうじゃなければこんな意味ありげな顔をしない。
「私がここに来たのは先ほども言ったよう、25代目の退治っぷりを見に来たんですよ」
「それだけのために、櫂石と竈石を・・・!!」
「25代目君?勘違いしないでくれるかな?アレはあくまで私の道具。古びた何の役にもたたなかった道具を使ってやったんですよ?逆に感謝してほしい位ですね」
「なっ・・・!!」
私も、この言葉に頭に血が上り、先ほどと同じようにお札を取り出そうとした。
でも、狐さんに腕をふさがれた。