妖怪愛物語
「桜、だめじゃ。今のお前は影月には敵わない」
小声で、殺気と闘志むき出しの声で、自分に言い聞かせるかのように私にそういった。
「そういうことだ。25代目君」
狐さんはかなりの小声で言ったのに、影月にはしっかりと聞こえていたようだ。
「まぁ、今日は貴女の力を見に来ただけでしたので、退散させてもらいます」
「なっ・・・・!!!」
私の声と同時に黒い煙が影月を包み、包みこまれたかと思うともうそこには誰もいなかった。
「・・・・」
「・・・狐さん。影月は何者なんですか」
私は無言になっている狐さんにたずねた。