妖怪愛物語



「狐さんは・・・・ック・・」


私は、色々気持ちがごちゃごちゃになってしまい、目から涙が出てきた。


「・・・なんで桜が泣くんじゃ」


狐さんは、こちらを少し微笑みながら私の頭をなでてくれる。一番泣きたいのは狐さんなのに。私は・・・。


「ヒック・・・だって・・・」


「・・・・・」


「恋人を殺されたのに・・・こんな・・私を助けてくれて・・・っ・・」


「・・・・」


「狐さんは最低なんかじゃないです」


言いたかったことをいった。すると、だいぶ心が落ち着いたように思えた。



「・・・ありがとう。」


狐さんの口から小さく漏れ出た言葉。その時の顔は、先ほどまでの中で、一番の笑顔だった。


「こちらこそ!・・・正直狐さんと葉月さんがいなかったら、私、やられてましたもん」


「そんなことないよ。あんたは十分強い。強くて綺麗な心をもってるからね」


葉月さんは、そういい私の頭をなでた。


「そうじゃ。桜は退治屋をうまくやっていける女じゃ」


「どうも・・・」


そんなに褒められると、逆に照れちゃうなぁ・・・


「・・・桜の言葉が無かったら、立ち向かう勇気が湧いてこなかったしな。ほんと、感謝しちょる」


「狐さん・・・」


思ったことをすぐに口にしてしまって悪いと思ったけど、ここまで言ってもらえた。


言ってよかった・・・。





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