妖怪愛物語
そうして、私はご飯を食べて、神社内を散歩していた。
「あっ!桜につぼみができてる!」
ここにある桜は、ウチの神社のシンボルみたいな物。
この神社には伝説があって、この桜の樹の下で告白したら絶対に恋が叶うとか、いろんな伝説があるらしい。
ちなみにこの神社は恋愛成就の神様の神社。
そんなことを考えながら私が桜を見上げていると、その桜の上に、何か
“変な者”がいた。
・・・そう、妖怪だ。
桜の木の上には狐の妖怪がいたのだ。そういえば久しぶりに見た。
そんなのんきに考えている暇はないけど、私が見たから襲い掛かって来る感じでもないし、とりあえず大丈夫だろう。
「狐・・・かぁ」
気の緩んだ私はふとそんなことを口からこぼしてしまった。
そうしたら、木の上にいた狐がこっちに飛び降りてきた。