妖怪愛物語




そうして、私はご飯を食べて、神社内を散歩していた。


「あっ!桜につぼみができてる!」


ここにある桜は、ウチの神社のシンボルみたいな物。


この神社には伝説があって、この桜の樹の下で告白したら絶対に恋が叶うとか、いろんな伝説があるらしい。

ちなみにこの神社は恋愛成就の神様の神社。


そんなことを考えながら私が桜を見上げていると、その桜の上に、何か


“変な者”がいた。


・・・そう、妖怪だ。


桜の木の上には狐の妖怪がいたのだ。そういえば久しぶりに見た。


そんなのんきに考えている暇はないけど、私が見たから襲い掛かって来る感じでもないし、とりあえず大丈夫だろう。


「狐・・・かぁ」


気の緩んだ私はふとそんなことを口からこぼしてしまった。


そうしたら、木の上にいた狐がこっちに飛び降りてきた。






< 4 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop