妖怪愛物語
「ほんとうにすまんかった、桜」
じゃあ、つまり私は一代目とおんなじ名前ってこと・・・?
「女退治屋は一代目、そしてあんただけなんだよ」
「初めて桜と出会うた桜の木、あそこはわしが彼女と出会おうた場所でもあるんじゃ」
「・・・・」
「最初見たときは動揺を隠すのに必死じゃった。顔も声も全部彼女と同じで・・・っ・・・・」
狐さんの目から涙が零れ落ちる。
「名前の話になったとき、思わず言ってしまった。神社の名前も由来も知っているくせに」
高潔で、麗しい、桜・・・・・
「やっぱり、恋人だから思い入れが強いんだね」
「空雅・・・知っちょったのか・・・・」
「当たり前じゃん、俺を誰だと思ってんの」