妖怪愛物語




空雅さんは、歯を食いしばり、悔しそうな顔をする。




・・・・私に気を使わせたと思ってるのかな?



「ごめん。えっと、もう一回聞くけど、この池の水って見えるよね?」


「はい」



もう一回ってことは、さっき洞窟の外から見えた光はこの池だったんだ。



「この水は過去にいける者にしか見えない水なんだ。多分影月を除いた五人の神にも見えないと思う」



じゃあこの水が見える私って何か、相当すごいような気がする・・・。



でもこの水が見えるってことと過去に行くのとなんの関係があるんだろう。



「じゃあ、はい掴まって!」


「え!?は、はい!」



急に差し伸ばされた空雅さんの手に、訳も分からず掴まると、



「行くよー!!」


「え、ちょ、まってええええ!!!!」



心の準備もできないまま、その池に飛び込んだ。勿論、私も一緒に引きずり込まれた。










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