妖怪愛物語
空雅さんの言うとおり、がんばってこらえていた。こらえてたんだけど・・・!!
「もう限界です!!!まだなんですかああああ!!!!」
痺れを切らし私は叫ぶ。
「あ、ついたついた。じゃあ桜、あそこを見て。俺の手、絶対離しちゃだめだぞ!」
あそこ、空雅さんが指差した場所を見てみると、そこには私・・・もとい桜さんらしき人物がいた。自分でも見間違える位、同じ顔の人が・・・
そんなことを考えているのもつかの間、私と空雅さんはどこか高いところから落ちているような感覚に見舞われた。
「ぎゃぁぁぁぁぁああああああ」
私は、女の声か?って言うくらいの悲鳴をあげながら、重力(?)に従うことしかできなかった。
私が死にそうなことを察してくれたのか、空雅さんは私を抱き締めてくれる。不覚ながらちょっと安心感が沸いてくる。