妖怪愛物語




「まぁ、でも大体のことは理解できた・・・。けど、つまり今この世界には2人空雅がいるってことだよね」


「そういうことだね」


「うわ」


「うわってなんだよ」



私は空雅さんの腕の中で2人のやり取りをぽかーんと見ているだけだった。なんだかお似合いだな。恋人みたい。



「んでさ、空雅」


「ん?」


「アンタの腕の中にいるのは人形なの?さっきから一言もしゃべらないんだけど」


私!?


まぁ、2人の邪魔しちゃいけないと思ってさっきからずっとしゃべらず黙ってたんだけどさ。空気読んでたんだよ。私!めずらしくね!!!


「えっと・・・・とりあえず空雅さんそろそろ下ろしてください」


ずっと抱っこされたままだったので、おろしてもらうよう頼んだ。すると、何故か桜さんが大爆笑した。


「ははははっ!!私と同じ顔で同じ声なのに、何でわざわざ空雅なんかに敬語使ってんの!あははっ、いい子だね、君っ」



そこ、笑うところなのかな・・・?








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