妖怪愛物語




近寄ってみると、心なしか少し小さかったが、全然変わっていなかった。




このときからもうここにあったんだね。





桜さんも私と同じようにこの木を見て育ったんだ。



私と同じようにここで狐さんと会って。そして、空雅さんと会って。




「狐さん・・・・」




ふと、そうつぶやいてしまった。何も思わず。本当に、ふと。そう、あのときのように。



なーんて、いるはずないか。と思ってそこを去ろうとした、すると。




「おい」




後ろから、聞いたことの有る声が聞こえてきた。







< 87 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop