十年桜~キミトフタリ~
 美優は教室に入ってきて俺達のほうへ来た。




「はじめまして、宮波桜ちゃん?」




「何でフルネ知ってんだよ」




「太一くんに聞いたの!」




 俺は太一のほうをにらむ。




 太一は「すまん」といわんばかりのような顔をする。




「あの、誰?」




「あ、美優?桜美優です、隣のクラスだから」




 美優なんか怒ってる?




「美優チャイム鳴るぞ、こんなとこでケンカうってる場合じゃない」




「弘人!だってー」




「だってじゃねえよ、帰れ」




「相変わらず口悪いんだから」
< 22 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop