十年桜~キミトフタリ~
「もしかしてさ・・・太一も?」




「・・・まあな、十年好きだったよ」




 うつむいて鼻をかく太一。




 バスケットボールはいつのまにか遠くへ転がっていた。




「だから宮波と・・・?」




「最初は美優ちゃんかと思ってたんだよな、でも桜が転校してきてこいつ?って思って仲良くなったんだよなぁ」




「宮波は、桜ちゃんだった?」




 俺の目を見てはぁっと息をついて上を向いた。




 天井を見上げる太一を見た。




 太一は天井を見上げたまま。




「それは・・・自分で探しな?俺はもうわかった気がする」




「自分で?」




「おう、それまで俺は待っててやるよ!・・・親友、だからな」




 
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