十年桜~キミトフタリ~
「何で美優ちゃん好きじゃないのに見るの?」
俺はまた校門を眺める。
まだ美優と弘人が喋っていた。
「見てねぇよ」
「見てるよ」
「見てねぇって」
俺が宮波のほうに体を向けようとすると
「こっち向かないで」
震えた声だった。
「何で」
「何ででも」
俺はまた校門を眺める。
まだ美優と弘人が喋っていた。
「見てねぇよ」
「見てるよ」
「見てねぇって」
俺が宮波のほうに体を向けようとすると
「こっち向かないで」
震えた声だった。
「何で」
「何ででも」