honey boy
『れい先輩どこ行くの~』




あれから遊ぼう遊ぼうとしつこい斉藤を無視し私は彼をふりきったはず。



はず、なんだけれど…




なんでここにいんの!?




そういるはずない。あれから授業に出る気がしなくなって、喫茶店へ向かっていた。


結構新しくできたお店で店の中は人で溢れていた。



ピンクや白などの薄い色でふんわりした雰囲気の可愛い店内。


その可愛いお店の前で私は硬直してしまっていた。




蛇に睨まれた蛙。いや、犬に抱きしめられた猫。



『…あんた何でここにいるの』



『え?そりゃついてきたから』



しれっとさも当たり前のように。




『いや、だから何故についてきた?』



抱きしめる手をはずそうともがきながら、彼に問いかける。




『先輩うそヘタ。あと俺も暇だったから』




ぎゅっと抱きしめる手が優しい気がして嫌じゃなかった。


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