honey boy
結局お仕置きが怖く逃げる夢は叶わなかった。


私たちは奥の方の席に座って、紅茶を飲んでいた。




『そういえば俺のこと少しは考えてくれた?』



紅茶をテーブルに置いて、首を傾げ





まさに小動物のようだ←



でも私を見つめてくるその瞳は小動物なんて可愛いものなんかじゃなかった。




微笑んでいるのにその瞳は男を感じて少し怖く感じた。




『考えるも何も…斉藤のことよく知らないし。』



紅茶に口をつける振りをして目を伏せた。





何もかも分かっているような




見透かすような目が私に向いている。




『それに』



紅茶を静かに下に下ろす。


それでもカチャッと音をたてた。




まっすぐとヤツの瞳を見て




『私のことすきじゃないでしょ?』


無意識にフッと笑ってしまった私を殴りたい。


合ってるんだよ合ってるんだけど、お前何様?



ってくらいむかつく言い方。


うん。すいません。止まらないや。ひどい言い方。


『それにね、私男ギライなの。しかもあんた第一印象から最悪』



『だから好きになるなんてありえない。』




カタンっと椅子をひいて立ち上がる。



『…これ私の分』

千円札を一枚おいて歩く






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