Strawberry & Bluesky

あたしも…。



あたしも、創士と同じやった。




あたしのオトンは物心ついた時からいなくて。



オカンは「仕事や」しか言わへんし。




ずっと。




あたしはオトンに捨てられたんやと思ってた。




年に一回会うんも、仕方なくやと思ってた。






けど、違った。



オトンは働いとった。



あたしたちが3人で暮らせるために。





あたしはその事実を知らんかった。



最近まで。





本当のことは言葉にしないと伝わらへん。



創士のオカンのことはよう知らんけど、そうであったと願いたい。










「…わかんねーよ…っ!おばさんの言ってること…ぜっんぜん…わかんねえよ……っ!!」




そうやろな…。



けど…。




「いつかわかるで。きっとな。せやから今はみんなのとこに帰るで。一緒にな」





そうしてしばらくの間ぐずってた創士だったが、ようやく頷いてくれた。

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