【短】君と一緒
包丁を出した瞬間、彼女の顔が恐怖に歪んだ。
そんな彼女の顔でさえ愛しいと思う自分がいて、
もっとその顔が見たいと思う俺は相当狂ってる。
「・・ぃっや、やめ・・て。」
「悪いけど、それは無理。」
ねぇ、なんで嫌がるの?
君だって俺と一緒にいたいって言ってくれたじゃん。
こうすればその願いは叶うんだよ?
「おっ・ねが・い・・だ・・から。」
彼女の瞳から大粒の涙がこぼれる。
今の君の頭の中には俺でいっぱいなんだろうな。
そう考えてみると嬉しくて仕方ない。
「・・・そんなにやめてほしいの?」
彼女の目線に合わせて聞いてみた。
包丁は突き付けたまま。