【短】君と一緒
「・・・。」
涙を流しながら無言で何回も頷く君。
「・・・仕方ないなぁ。」
俺は彼女から包丁を遠ざけた。
すると、彼女は安心したのか体の力を抜いた。
「・・こんなに泣いちゃって・・。」
「・・だ・・って、こわ・・か、った。」
ちゃんと話せてないし。
俺は黙って彼女の涙を指ですくう。
俺が触れた瞬間に彼女の肩が震えたが気にしない。
「ごめんね。」
俺の口から無意識に出た言葉。
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