紅蓮--Requiem--
第二部 ハメツへのカプリチオ
1
「ここがハデスの言ってた場所なの?」
東塔の入り口に着くと、ハデスの言うとおり、マンホールがあった。それは、人が入れるくらいの大きなものだ。
「ホンマにこの中、道があるんやろな?」
彩華はけげんそうな表情でそう言った。マンホールは、時の経過を表しているようにさびついていて、この中に地下の道が広がっているなんて、想像も出来なかった。
「ここに入れっていうことなのでしょうか?」
観紗はそう言うと、マンホールのフタの取っ手に手をかけるが、観紗の小さな力では、ビクともしなかった。
それは当然のことだった。観紗は同じ年齢の者と比べると、身体の発育はかなり遅い。要するに身長が伸びないということだ。当人もそのことを気にしているらしい。
そう言うわけで、小学生にも見える彼女に、そんな重い物を持たせるわけにはいかないのだ。
喬哉は慌てて、彼女に代わりマンホールのフタに手をかける。
「天宮も手伝ってくれないか?一人では持ち上がらないみたいだ。」
喬哉がそう言うと、翔は何も言わずにただ頷き、もう片方の取っ手をつかんだ。
「せーの。」
喬哉の合図で、二人はフタを持ち上げる。
ガゴッ。
赤いサビを落としながら、そのフタは開いた。
「ここに入らな、あかんの…?」
マンホール側面には鉄製のはしごがかけられている。奥は続いているようだが、暗くてよく見えない。
「残り時間があまりありません。早く降りましょう。」
観紗の言葉を聞き、私たちはハシゴを降りた。
東塔の入り口に着くと、ハデスの言うとおり、マンホールがあった。それは、人が入れるくらいの大きなものだ。
「ホンマにこの中、道があるんやろな?」
彩華はけげんそうな表情でそう言った。マンホールは、時の経過を表しているようにさびついていて、この中に地下の道が広がっているなんて、想像も出来なかった。
「ここに入れっていうことなのでしょうか?」
観紗はそう言うと、マンホールのフタの取っ手に手をかけるが、観紗の小さな力では、ビクともしなかった。
それは当然のことだった。観紗は同じ年齢の者と比べると、身体の発育はかなり遅い。要するに身長が伸びないということだ。当人もそのことを気にしているらしい。
そう言うわけで、小学生にも見える彼女に、そんな重い物を持たせるわけにはいかないのだ。
喬哉は慌てて、彼女に代わりマンホールのフタに手をかける。
「天宮も手伝ってくれないか?一人では持ち上がらないみたいだ。」
喬哉がそう言うと、翔は何も言わずにただ頷き、もう片方の取っ手をつかんだ。
「せーの。」
喬哉の合図で、二人はフタを持ち上げる。
ガゴッ。
赤いサビを落としながら、そのフタは開いた。
「ここに入らな、あかんの…?」
マンホール側面には鉄製のはしごがかけられている。奥は続いているようだが、暗くてよく見えない。
「残り時間があまりありません。早く降りましょう。」
観紗の言葉を聞き、私たちはハシゴを降りた。