紅蓮--Requiem--
2
私たちは全員、次の部屋へと入る。そこは、血の臭いが広がる小さな部屋だった。
「うっ…。」
あまりの臭気に、私たちは吐き気を覚える。
部屋の中央には、異様な形のイスがあり、その真上には大きな振り子刃がぶら下がっていた。
「なによ、これ…。」
私がそう言った時、不気味な電子音とともに、ハデスの声が室内に響く。
「この部屋は、第一処刑部屋。重罪の中でも、まだ軽い罪を負った囚人を処刑する部屋だ。中央にイスがあるだろう。そこに死刑囚は座り、右手を肘掛けに固定される。死刑囚は自分の判断により、左手でボタンを押す。ボタンは左腕を置く肘掛けについている。そのボタンを押すと、肘掛けの上に付いているギロチンが死刑囚の右手の指を一本、切断する。制限時間までに右手の全ての指を切断しなければ、真上にある大きな振り子刃が、死刑囚の身を脳天から切り裂くことになる。今は、お前たちの中から1人、処刑の犠牲者を選べ。制限時間は10分。処刑を執行しろ。処刑が終われば、次の扉は開く。決めるのはお前たちだ。処刑開始。」
「そ、そんなことできるわけないやろ。」
「そうよ、なんでこんなことしなくちゃならないの?」
皆が恐怖に駆られそう叫んでいると、1人の少女がそれをとめた。観紗だった。
「私が…行きます…。」
「ダメだよっ!そんなことしたら…。」
「大丈夫ですよ。私は死にませんから…。」
そう言って観紗は微笑んだ。その笑みは明らかに、悲しみに満ちていた。
「この処刑は、右手の指を全て切れば、死ななくて良い方法なのです。私は死にませんよ…。」
「でもっ!」
私がそう叫ぶと、観紗はもう一度微笑んで言った。
「皆さんの悲しい表情は、見ていたくないですから…。」
観紗のその言葉に、私たちは反論できなかった。
「うっ…。」
あまりの臭気に、私たちは吐き気を覚える。
部屋の中央には、異様な形のイスがあり、その真上には大きな振り子刃がぶら下がっていた。
「なによ、これ…。」
私がそう言った時、不気味な電子音とともに、ハデスの声が室内に響く。
「この部屋は、第一処刑部屋。重罪の中でも、まだ軽い罪を負った囚人を処刑する部屋だ。中央にイスがあるだろう。そこに死刑囚は座り、右手を肘掛けに固定される。死刑囚は自分の判断により、左手でボタンを押す。ボタンは左腕を置く肘掛けについている。そのボタンを押すと、肘掛けの上に付いているギロチンが死刑囚の右手の指を一本、切断する。制限時間までに右手の全ての指を切断しなければ、真上にある大きな振り子刃が、死刑囚の身を脳天から切り裂くことになる。今は、お前たちの中から1人、処刑の犠牲者を選べ。制限時間は10分。処刑を執行しろ。処刑が終われば、次の扉は開く。決めるのはお前たちだ。処刑開始。」
「そ、そんなことできるわけないやろ。」
「そうよ、なんでこんなことしなくちゃならないの?」
皆が恐怖に駆られそう叫んでいると、1人の少女がそれをとめた。観紗だった。
「私が…行きます…。」
「ダメだよっ!そんなことしたら…。」
「大丈夫ですよ。私は死にませんから…。」
そう言って観紗は微笑んだ。その笑みは明らかに、悲しみに満ちていた。
「この処刑は、右手の指を全て切れば、死ななくて良い方法なのです。私は死にませんよ…。」
「でもっ!」
私がそう叫ぶと、観紗はもう一度微笑んで言った。
「皆さんの悲しい表情は、見ていたくないですから…。」
観紗のその言葉に、私たちは反論できなかった。