紅蓮--Requiem--
肉を切り裂く音とともに、大量の血しぶきが舞った。身が真っ二つに裂かれていたので、即死であることは容易に見当がついた。始終を見ていた私たちは、悲鳴をあげる。
「きゃぁぁぁぁっ!」
「観紗ぁ、観紗ぁっ!」
彼女を目の前で失った悲しさと、そのあまりにも無惨な光景に、嘔吐する者もいた。私自身も、激しい吐き気を覚える。
しかし、私たちには悲しんでいる時間など残されていなかった。この部屋を出る制限時間を示すタイマーが、残り2分と表示されていたのだ。
「残り2分だって!?」
「もう…いいよ…。この先こんな悲しい思いをしなくちゃならないのなら、ここで飢えて死ぬほうがいいよ…。」
玲は頭を抱えてそう言った。
「そうや…。観紗をここに置いていくわけにはいかへん…。観紗はウチらの仲間や…。」
「やめてよっ!」
彩華の言葉をとめて、私は叫んだ。
「観紗は…、私たちに泣かないでほしいって、あんなことをしたんだよ…。ここで泣いていたら、悲しむのは観紗なんだよ。観紗の想いを受け取るなら、こんな所で止まってちゃダメなんだよ!私たちは生きるの…。生きて観紗の分まで幸せにならなくちゃいけないんだからっ!」
私は、観紗の想いを感じ取って、そう言った。私たちは生きなくてはならなかったのだ。
「そう…だよね…。」
「そやな、こんな所で泣いとったら、観紗がかわいそうや…。」
「みんな、行こうよ。生きて帰って、観紗の死を無駄にしないように…。」
涙を必死にこらえて、私たちは、次の部屋へと続く扉を開いた。
-To be continued-
「きゃぁぁぁぁっ!」
「観紗ぁ、観紗ぁっ!」
彼女を目の前で失った悲しさと、そのあまりにも無惨な光景に、嘔吐する者もいた。私自身も、激しい吐き気を覚える。
しかし、私たちには悲しんでいる時間など残されていなかった。この部屋を出る制限時間を示すタイマーが、残り2分と表示されていたのだ。
「残り2分だって!?」
「もう…いいよ…。この先こんな悲しい思いをしなくちゃならないのなら、ここで飢えて死ぬほうがいいよ…。」
玲は頭を抱えてそう言った。
「そうや…。観紗をここに置いていくわけにはいかへん…。観紗はウチらの仲間や…。」
「やめてよっ!」
彩華の言葉をとめて、私は叫んだ。
「観紗は…、私たちに泣かないでほしいって、あんなことをしたんだよ…。ここで泣いていたら、悲しむのは観紗なんだよ。観紗の想いを受け取るなら、こんな所で止まってちゃダメなんだよ!私たちは生きるの…。生きて観紗の分まで幸せにならなくちゃいけないんだからっ!」
私は、観紗の想いを感じ取って、そう言った。私たちは生きなくてはならなかったのだ。
「そう…だよね…。」
「そやな、こんな所で泣いとったら、観紗がかわいそうや…。」
「みんな、行こうよ。生きて帰って、観紗の死を無駄にしないように…。」
涙を必死にこらえて、私たちは、次の部屋へと続く扉を開いた。
-To be continued-