99通目のラブレター
プロローグ
ふわりと、風に乗って桜の花びらが舞った。
俺はその、どこからか飛んで来た宙に舞う花びらをそっと掴んだ。
手をゆっくり広げたら、そこには小さな桜の花びらが2枚並んでた。
『この花びらはね、あたしと優也くんなの』
それを優しく握って、ぱっと手を離せば
花びらはどこかへ飛んでってしもた。
あれからもう2年が経ったんやな、と思う。
手紙に入ってた桜の花びらは、
今でもちゃんと、残ってんで。
なあ、春奈?