青春ロリポップ
@第一章:私とアイツ
1-1
「ほら、起きなさい」
「……んー」
「遅刻しますよ」
「んー…、あと10分は寝かせてよ、お母さん……」
がばっと布団をひるがえして背中を向けると頭上でチッと舌打ちがきこえた。
あら、今日のお母様ったら随分と荒々しいのね、なんて寝惚けた頭で思う。
「遅刻するっていってるでしょう、のろま!!」
「!!痛ったぁああ゛」
ずしっと頭に衝撃がきて思わず飛び起きた。なに、これお母様ったら今日どうしちゃったの、本当。
「酷くない……って、ひぃっ!あ、あ、蒼っ!」
「おはようございます。目覚めはどうでしたか?のろま」
痛みのせいか段々と晴れてきた視界には、嫌な笑顔で笑っている私の幼なじみがいた。
「な、なんで……」
「ありすを起こしにきてやったのに決まってるでしょう。ほら、さっさと着替えなさい」
ぽいっと投げ渡された私の制服を握りしめながら思考回路を巡らせる。
どうして?コイツに起こされる習慣は結構、前に無くしたはずじゃ……
(毎朝、殴られてたらたまったもんじゃないもん)
小首を傾げた、ちょうどその時だった。
「蒼くーん!!ありす起きたかしらーっ?」
「あ、はい。ちょうど起きたところですよー」
蒼は私と話すときに比べて少々、優しげな声で下から聞こえるお母さんの声に返事をした。
「ありがとねー、やっぱ、ありすを起こせるのは蒼くんだけよー。あははっ」
お母さんの、馬鹿