科学部恋愛
「何か決めてよ、部長さん」
郁斗は携帯をいじりながら
あたしにそう言った。
だってだってだって…
「じゃ、じゃぁ…今日は実験でもする?」
「「却ー下」」
恐る恐る言ってみれば、
案の定亜樹と郁斗は
同時にハモった。
科学部なのに実験が嫌いなんて
じゃぁ何すればいいのー…
「あ…あの…私思ったんですけど…科学ではないんですけど…生物するのはどうでしょう?」
困って悩んでいると、
隣に座っていた凛ちゃんが
手を小さく挙げて言った。
科学と生物はまるで違う世界。
そんなの誰だって分かってる。
けど…